#6 Ash, Alder, or Poplar? Body Materials of Mustang

ムスタングは今でこそ使うプロも多いし、ステイタスを確立していると思いますが、20年ちょい前はCharさんしか使わないくらいの勢いでした。90年代に入り、ニルヴァーナが売れて、いわゆるグランジロック(もうすでにこういう名前でさえピンとこない人の方が多いのでは)の人たちが「安いから」的な感じで使う人が増えた気がするけど、そのおかげで見るも無残な改造をされたものも増えました。

今は専門店的な(^^)品ぞろえのお店もあるし、なによりお店の人でムスタングに詳しい人が増えたけど、当時はそんな人は極めて少なかった。「こういう(チューニングが狂う)ギターですから」というコメントがまかり通っていたし。仕方がないので、自分でコツコツやり始めたんですね。だから、ここで何か書いているのは基本的に自分がさわった感想・印象です。サイトを始めたころはほんの数本、今はもうどれくらい弾いたか何本持ってて何本売ったかわからない。お店で調整されたやつを弾ける時代になったのは嬉しいですよね。お店で試せるから。いまだに調整できてないお店もけっこうありますけどね(^^)。自分が手元に置いていたのは65年スモールヘッド、65年後期、66年スラブボード、66年初期、66年後期、67年前期、67年後期、67~68年初期ユニット、69年、70年、71年、72年、73年、74年、78年、80年代ジャパフェン69モデル,90年代前期ジャパフェン66モデル,90年代後期ジャパフェン69モデル、00年代ジャパフェン65モデル、フレッシャー・・・こうやって挙げてみると20種類くらいかな。

年代でどこが好きかと言われると、60年代のものと言わざるを得ない。初期のものはやっぱり本気度が違う。ネックの感じも好きだし、アームユニットも丁寧に作られていて遊びが少ない。スチューデントモデルとしてはもったいないくらい。ただ、少しずつ差はつけてるんだろうなという感じはしますけどね。でもよくできています。

で。今回の話は、ムスタングのボディについて。ネックは基本ローズオンメイプルで変わりはない(もちろん初期はハカランダ指板だし、硬さも違うし、塗装も違うしで実際には大きく違うんですけれど)けど、ムスタングのボディはさらに大きく違うので、結構音色を左右していると思います。

初期はポプラ。これがもっとも差をつけているところなんだろうなと思う箇所です。当時の高級機は基本アルダー材。ポプラの音はこんな音、というのは上手く説明できないけど、レンジは広くない。開発された当時に「歪ませて使う」という発想はなかったはずなので、リバーブをかけて弾いた時に音が立つ感じがよかったのかなという感じです。CharさんがTRADROCKシリーズでヴェンチャーズやってるときにストラトじゃなくてムスタング使っているのはここじゃないかなと個人的に思っています。

一方、歪ませると真ん中に音が集まってくるので、歪ませて使うグランジの人たちにはこれまた都合がよかったのかなという感じです。Charさんは60年代のムスタングを使うときにはコーラスを多用していました。「JCのコーラスがムスタングの悪いところを取ってくれる」というコメントでしたが、この真ん中に集まってくる感じをコーラスで広げることでそれに対処していたと思えます。

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70年代に入って、ある時期にアルダーボディのものがあります。60年代でもアルダーのものはあるらしいのですが、僕は出会ったことはありません。僕がこれまでに所有したものでは70年製と74年製にアルダーのものがありました。74年製はアルダー狙いで探して買ったのですが、70年製は最初知らずに使っていたのです。たくさんムスタングを置いてあるお店で買ったのですが、コンペティションモデルが3本あり、弾き比べて、一番音が気に入ったものを買いました。使っている間、やたらとエフェクターのかかり具合がいいなあと思っていたのですが、あるときお金に困って売ってしまった。お店で売れたあとで「あれ、アルダーでしたよ?」って。アルダーの価値っていう認識はなかったんだけど、材によって音色が違うというのはアッシュとの差くらいなのかなって思っていたので、それぞれポイントがあるんだなってその時初めて知った感じです。その後、もう一度アルダーのが欲しいと思って探しまくり。ある時期、74年製にアルダーのものが割とあるらしいという情報を得て、探すこと数年。無事手に入れたのが下のムスタング。前の方が音はよかった気がする(笑)でもポプラとはやっぱり鳴り方が違います。


アッシュは、70年代のアッシュ(ムスタングは50年代はないから)は、全く鳴りが違うので、これはもう最初から気づきました(^^)はっきり言って全く鳴らない。重い。塗装も分厚い。Charさんが使っていなければ買っていない。ボディのせいなのかパーツのせいなのか、とにかく音がロスしていっている感じがすごい。ドンシャリというかドンもシャリもないな、ペンチャリという感じかな。ジャーンじゃなくてリャーンって鳴る。すぐハウるし非常に使いにくいんです。が。使っているとこの時期独特のこの音の鳴らない感じがなんともいえずクセになるんですよね。病気だ(笑)。80年初頭に開発されたESPチャーモデルたちはアッシュを使われたものが多いので、推測ですけどここを意識していたというか、音色を合わせていた部分はあったのかなと思います。はっきり言ってESPのチャーモデルの方が作りははるかにいいと思いますけどね。この時期の国産コピー物にはセンとかも使われていたようです。

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フェンダージャパンのは最近のはポプラボディになっているようですが、初期はバスウッドでしたね。バスウッドは80年代には高級材?的扱いだったと思いますが、90年代以降は低価格層のものに採用されている印象です。音の感じはふつう。僕は初期のジャパフェンの音はあきらかに70年代のものよりいい音だと思っていました(笑)エフェクターのかかり具合もよかったし。そんなフェンダージャパンもついに2015年になって消滅。これからはフェンダー統一扱いなんでしょうね。

最近はアニメの影響で再びムスタングが注目されていろんなブランドからムスタングの形をしたギターがリリースされています。そのなかでも「おっ?」と思うのはヴァンザント、フジゲン、そしてシェクターのムスタングモデルかな。これらはみんなアルダーボディでした。シェクターはさらにネックのスケールもミディアムにしているのでムスタングとよく似た発展型という感じでしょうか。

そして2012年、満を持して発表され、翌年発売になった本家フェンダーのChar Signatureモデル、Free Spirits。これもやはりアルダーボディでした。本家の最進化バージョンとしてはムスタングの基本コンセプトである「スチューデントモデル」という発想を排した高級版、という感じでしょうか。いい音で当たり前、みたいな(^^)

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僕自身はやはり60年代のムスタングの音がいいなあと思います。だから自分の中での順位はポプラ、アルダー、アッシュの順かな。が、使い方というか、セットアップに加えて、エフェクターやアンプとのマッチングで個性的な音が出せるバリエーションがあると言えると思います。そのクセの強さが好みの分かれるところなんでしょうけどね。

コメント

  1. じょん より:

    僕もやはり60年代の音が好きですが、70年代の音もクセになるってのもよくわかります(笑)
    ところで塗りつぶしのギターで材はどうやって見分けるのですか?

    • charley より:

      >じょんさん
      正解はよくわからないんですけど、いちおうネックを外したところのネックポケットの木目を見ています。あそこも塗られてたら剥がす以外手はないんですけど(^^;

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