#5 Dynamic Vibrato part2 Floating version

#4のベタづけの回にも書いていますが、僕がCharさんのコピーを始めた頃、Charさんのユニットはベタづけでした。たぶん。それはある時期からそうなっていたんだろうと思うのですが、どこからかはわかりません。アイドル期はGirlのイントロとかもそうですけどアームを使ったときの音が響きが違うんですね。ベタづけだと同じようにぐにょぐにょしてもああいう音にならない。まあ上に上がる音がないんだから当たり前ですけれど。最初にフローティングになったのは白のGRU20周年モデル。ストラトですけどね。Chanceツアーだったかな。これは当時テレビでも放送がありました。今のM-ON。Viewsicと言っていた。

そこからムスタングも順次フローティングになっていきました。ただし。スタッフの方も苦労されていたようで、一時は現在のやり方と違うやり方でフローティングが行われていました。マニアックにコピーしたい人は2種類のパターンでフローティングの調整をすればいいと(笑)

ムスタングもフローティングにしたんだと気づいたのは簡単、Charさんがアームアップを使い始めたからです。Smokyでいきなりアームアップしたのに驚いた。「苦労している」と気づいたのは自分も最初どうやってやるんだろうと思ってあれこれ試行錯誤して2種類のやり方にたどり着いたからです。今回書くのはその試行錯誤の歴史です。これも正解というわけではありません。アプローチの仕方の例として参考にしていただければという感じです。

Version 1

ひとつめは「ベタづけから戻す調整法」です。テールピースをベタづけにすればそれ以上はアームアップしない。ここをスタート地点にしてそこからテールピースのバランスを見ながら上に上げていく。ゴールは「3弦5フレットの1音半アップ」です。これはゴールがはっきりしているのでバランスさえ取れていればそれほど苦労しない。音だけ探ってやっていけばできます。ただし。この形で調整してみるとわかるのですが、このユニットの状態はなんとも心もとなく、はっきり言ってふにゃふにゃなタッチで安定感がありません。さらに音ありきで設定ができている気がしない。音程ありきではあるんですけれど。これでダウンアップをすると慣れていない人はたぶん狂っちゃうだろうなっていう感じです。当時僕自身はヴィンテージのムスタングではやってみたものの使えずに、サウンドロフトさんの開発した強めのスプリング、Black Shoesを使ったユニットでだけ使っていました。

Version 2

その後。Charさんのメインがストラトに移り、僕自身もうまく調整できないままに数年が過ぎていました。まあコピーするに当たっては正直言ってその頃アームアップが必要な曲をコピーしていたわけではないという口実があり(笑)ベタづけユニットのままでも問題なかったんですね。

2006年になり、曳舟のグラウンワイドさんにお邪魔して。アイドル期にCharさんのムスタングを調整されていた荒木一三氏の手によって調整されたダイナミックトレモロたちを目の当たりにしました。結論から言うと、僕の調整の仕方とは全く違っていました。もう見た目から違う。すぐに気づいたのがスタッドがかなりまっすぐに立っていること。僕のやってきた印象ではこれで合う気がしない。ところが全く問題なく合う。それどころか激しくアーミングしてもまったく狂いません。不思議でしかたなかった。「この角度だと普通は運が良くないと安定しないはずなのに!」アームをちょっとでも動かすと全く合わなくなるんです。ところがこの店のギターたちは全く問題なし。アップもダウンも出来ます。たしかにアイドル期後期以降の音が出ます。うにょうにょ出来る。もうひとつ気になったところ。テンション感。どうしてここまでフローティングしているのにこれだけのテンション感があるのか?不思議な感じでした。

逆。

これまでの調整は基本的にいちばんベタ付けな、アームアップ出来ない状態を元に行っていました。そこから「この音までアップする」状態を作り出していたわけですが、荒木さんの調整したムスタングを弾いたイメージでは「この音まで」というよりは「ダイナミックトレモロはこういう風に調整するもの」という感じでセットアップされている感じがしました。これは抽象的ですね。具体的に言うと、ただのフローティング状態(さらにわかりにくいか)なんです。要はバランスとれたフローティング状態を作り出しておいて、どこまでアップ(あるいはダウン)させるかはユーザーの腕次第、という感じだったんですね(真相はわかりませんがそういうイメージだった)。で、今回のポイントはふたつ。

1.ベタづけから戻した時と違い、スタッドがかなりまっすぐ立っている(印象)

2.ベタづけから戻した時とアームのタッチが違う

「逆」というタイトルは、今回のポイントの1をふまえたものです。ベタ付けの状態でチューニングすると当然スタッドはエンドピン方向に傾いているわけで、そこからユニットを戻していくと、1音半上がるところでも「まっすぐ」という印象にはなりません。お店で見たときはほんとに「???」っていう感じだったんですよね。

経過。

1.スタッドのねじをどんどん回してチューニングしてだいたいまっすぐな感じを作り出します。テールピースを上げていくとまっすぐになります。

2.左右のねじを高さの均等を維持しつつ、少しずつ下げていきます。

3.チューニングと2をくり返しながらアームをアップ方向にさわっていくとあるポイントで急にタッチが変わるんです。ベタ付けでやる調整に慣れている人はすぐに気づくんじゃないかと思います。ベタ付けのときって、いわゆるシンクロナイズドのべたの時と同じでアームのテンションってダウン方向には強いですよね。ところが、そこから1音半アップの位置まで「戻す」調整をしていると、ダウンには特に支障を感じないけど、アップして戻っていく感じとかは非常に心許ないくらいフニャフニャなんですよね。あれと比べると…突然妙な感じ(笑)になるようなポイントが来るんです。アップ方向にもしっかりした感じのテンション感を感じることが出来ます。鳴り方もここに来ると変わります。てこのバランスがとれる瞬間なのかもしれません。はっきりわかると思います。それくらい変な感覚です(笑)。ここでユニットを見ると、たぶんスタッドはかなりまっすぐ(実際にはちょいエンド方向より)で左右の高さも均一になっていると思います。アームを動かしてみるとダウンもアップも自在で1音半以上まで引っ張れます。激しく使っても大丈夫。GIRLのイントロとかフリースピリットのナッチューとかも全然平気です(^^)ギターによる個体差で多少の遊びはあるでしょうが、そこをつかめば、ほとんど狂い無く演奏できると思います。うちにあるムスタングは現在すべてフローティングに設定していますが、アームのついている1弦側の高さを微妙に均等よりも上げる感じで設定しています。これはあれこれバランスをとってみてください。


IMG_0201

今回67年頃製白、そしてFree spiritでやった写真です。ちょっとわかりにくいけどフリスピはかなりまっすぐ立ちました。ばねの感じが違いますね。また、近年のESPはえらくアームばねがふにゃふにゃなんで、ポイントが見つけづらいです。ロットやブランドで違うんでしょうがユニットがフェンダー製とは限りません。現状演奏に困らないレベルには持ってこれているのですが、まだまだ研究の余地があります。みなさんぜひ教えてください!!

コメント

  1. じょん より:

    なるほどこんな感じでリニューアルですね。今までのものも貴重な資料ですので是非ともよろしくお願いします(笑)

  2. じゃじゃ馬 より:

    祝!リニューアル!(^^)!
    旧サイト分永久保存しておきました。
    新サイトもマニアックによろしくお願いします!!(^^)!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>