#4 Dynamic Vibrato part1 Non-floating version

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アームユニットの調整はCharコピーの必須項目ですね。ムスタングのダイナミックビブラート,そしてストラトキャスターのシンクロナイズドトレモロ。ほかにもあるけれど,主にはこのふたつのユニットをどう乗りこなすかというところだと思います。このサイトを始めたのは2000年のことですけれど、その少し前からネット上ではCharファン同士の交流がありました。Charさんのオフィシャルサイトに掲示板があったんです。ここにいたメンバーのうち何人かの方と情報交換が始まり、以来今に至っています。

21世紀になった今ではCharさんのデフォルトはフローティング設定です。これは99年のジェフベックのツアー以降ストラトを皮切りに徐々に使うギターのセッティングが移行していきました。なので,ここ数年でファンになった人には違和感があるかもしれませんが、さかのぼってコピーされる場合はテールピースベタ付けの音色が必須です。96年の20周年武道館のあのユニットのきしみというかばねの音はフローティングにしてると出ないんですよね。

僕がコピーを始めた頃,80年代の後半には,CharさんはムスタングやCharモデルIII,バーガンディストラトを使っていましたが,どれもフローティングさせている様子はありませんでした。

僕自身最初に手に入れたのはCharIIで,ダイナミックトレモロのコントロールに本当に泣いて。買ったはいいけれど,これじゃ人前で演奏なんてできやしないと最初の1年くらい思っていました。

たまたま飛び込んだ楽器工房で調整してもらえることになり,その結果「テンションガイドをはずし」「テールピースベタ付け」で初めて狂わないユニットを手に入れたんです。もともと買ったお店では「これはこういうギターだから」と相手にもしてもらえなかったのが「ちゃんと調整すれば狂いませんよ」と心強いアドバイス(^^)

そうしてようやくコピーが(楽器的に)できるようになり。おりしもサイケデリックスのスタート時にライヴを見に行った渋谷のクアトロ。運よく前のほうで下から見上げたCharさん。当時はファニチャー(その日はレッドファニチャーだった)と黒のムスタングだったんだけど,このムスタングのアームが,自分が調整してもらったのと同じくらい上を向いていたんです。写真で見るとこんな感じ。

これ見て以来、Charさんもそうなんだと思ってこの調整をまずは研究し始めました。ただし、正解は知りません。あくまで推測です。

というわけで今回はダイナミックビブラートの調整、ノンフローティング編。

前述のとおり、Charさんのセッティングに関しては、かなりの間アームアップしない形、つまりテールピースを一番低くセッティングした形が採用されていました。黒はちょっとアップするみたいですが、これは70年代のものがもつ遊びのせいでやむを得ず、といったところでしょう。アームを一番低くしたときはテンションが一番強いため,ダウンしてそのまま手を放しても(Char氏がよくやりますよね)元に戻るのが筋だろうと思うのですが,実際にはあそびがあるというか,なかなかそうならないものがあります。実際のところはよくわからないのですが,自分の経験からは,どうもパテントナンバーがついた後のものには(66年後半~68年くらいまでのもの),少しだけあそびがあるものがあるように思えます。それをうまく戻すには,昔Char氏が「ダウンしたあと,もう一回アップして戻すんだ」と言っていました。これはFUCK YOUムスタングや黒を使っていた頃のコメントなので時期によってアームの使い方が微妙に違うのがわかると思います。近年使っている気絶ムス(SLKZII-MG210)ではジャパフェンユニットということもあってかまたアームのコントロールの仕方が違いますね。ムスタングを弾くに当たって、アームを使う場合はこのテクニックは身につける必要があります。実際Charさん自身使うムスタングによってアームの扱いは違います。個体差があるので,うちにあるムスタングもそれぞれすっと戻るのもあれば,そうでないものもあります。ナットやテンションガイドのすべりとかもけっこう大きく関係していると思います。調整するための慣れも必要だと言えるでしょう。

ダイナミックビブラートは調整ができなければ非常にストレスがたまるユニットだと思いますが、やり方を覚えるとかなり狂いが防げるところまで行けると思います。ユニットのベースプレートの穴のところを支点としてユニットが動きます。テールピースの高さを上下することによってアームの硬さ(ばねの強さ)が変わります。上げるとスタッドがサドル方向に動いていきます。ではいくつかのポイントを挙げてみたいと思います。

1.ネック仕込み角のチェック

シム
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ネックをはずすとシムが入っているものがあります。ムスタングは年代によってかなり設定が違います。60年代、70年代前半、70年代後半、ジャパフェン初期(80年代後半)、近年(90年代後半以降)という感じでしょうか。いい悪いはよくわからないですけど、所詮量産ギターなのでそこまで詰めて弾くやつがいるか?という感じだったのか?いや、違いますね。レオフェンダー氏はきっとちゃんと調整すればと思っていたでしょうけど、その後が体制の変化で…以下略。現実的には大雑把な感じになってしまっています。60年代のものはネックポケットを深めに設定しておき,あとは樹脂製のシムを挟むことによってネックの角度を調整するというやり方です。

おそらくはこのシムもいろんな種類の厚さが用意されていて、その個体ごとに挟まれていたのだろうと推測します。結果、偶然ちょうどいいものもあれば、もうちょっと何とかならないかという感じになっている者もあるようです。現在のカスタムショップのマスタービルダーもののようにきっちりとポケットも作っているものもあるけれど、逆転の発想で、当時を再現するためにあえてシムをはさむように作っちゃうブランドもある時代になりました。面白い時代です21世紀(笑)。

必要に応じてシムを入れ、ネックの角度を変えていきますが、サドルの高さとの兼ね合いをチェックしていきます。シムが分厚いと当然サドルの位置が高くなり、弦高も上がってしまいます。下げればハイポジションは音が出なくなってしまいます。場合によってはシムの厚さを変えてみることをお勧めします。ちなみに僕は今オリジナルのシムをはずして厚紙を代わりに使っています。前述の新興ブランドはピックをシムとしてはさんでいるようですね。実はオールドの音色を出すためのキーポイントなのかもしれません。

スペーサーが入っていないものはネックポケット自体が浅く作られていて音詰まりしないようになっていると思います。特に角度を調整しなくてもいいのではないかと思いますが、サドルが低くなってアームの動きについてこない場合は高さを上げる方がいい場合もあるかもしれません。

2.ブリッジとサドル

サドル
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ブリッジ自体の高さは前述の仕込み角の具合によって変わります。両端のねじを回して高さを調節します。ちなみに’98年,Char氏が大分に来た時に,知人がスタッフとして参加したのですが,そのとき彼のムスタング(66年の青)を間近で見て,ブリッジの高さが高いことにえらく驚いていました。実際ジャパフェンや70年代以降のムスタングでは考えられない―ジョイント部の作りに関しては70年代以降やジャパフェンの方がちゃんと作っている(?)のでシムが入っていないため―高さです。普通の人は弦高の低いほうが好み(根拠無し)だと思うのですが,サドルを下げて行くともうひとつトラブルがあります。もともとネックの指板とブリッジサドルの丸みが違うこともあり,ブリッジ全体を下げると1・6弦の音が詰まって出なくなってしまいます。これを防ぐためには高さを上げればすむことですが,全体を上げると1・6弦が程よくなった頃には2~5弦はすっかり高すぎということになってしまいます。そこで1・6弦のサドルの下にスペーサーを挟むという手があります。「まるごと1冊ムスタング」の写真集のところではこの調整がされているものが多かったようですね。現在Charさんご自身のムスタング白にも1弦のサドル下にこの調整が施されているようです。また、初期ESPチャーモデルなどはそうでしたが、サドルにねじをつけ、高さ調整を可能にしたものもあります。21世紀になって、サウンドロフトさんからは指板のラジアスに合わせサイズアップした1弦6弦用のサドルがリリースされています。

3.可動部

調節穴

レンチを使ってテールピースの高さを調節することによってテンションの強弱を変えられます。高さを下げるとテールピースは後ろに傾き、上げると前に傾きます。ベースプレートの穴を支点としたてこの原理でバランスがとられています。

調節ねじは左右2つありますが,基本的にここの部分の高さがバラバラだとダメです。まず、ねじを回していって高さをぎりぎりまで下げ,アームのテンションを一番強くしてみてください。もちろん1弦と6弦では弦の太さがちがうのでぎりぎりまで下げると左右の高さはきちんとは揃いません。6弦が少し上がっている感じになります。

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このテンション調整と密接な関係を持っているのが弦の選択です。Charさんは09~42(いわゆるエクストラライトですね)を使っているとのことで,僕はこれで合わせていますが,ムスタングには10~のセットを使うという人も少なくないようです。実際フェンダーギターにセットされる基本は10~のセットみたいですから,これは正しいのかもしれません。楽器屋さんでムスタングの質問をしてよく答えてくれるところは10~セットあるいは09~のセットどちらでもいいけどヘヴィボトムになるやつ(46だっけ)を薦めてくれるところが多いですね。Charさんが言う「低音の弱さ」をカヴァーしてくれるということもあるし,10~46あたりのセットだとアームアップにも対応できるくらいテンションバランスが安定します。Charさんも何かの記事で46と書かれていたものがあったと思います。ちなみにここ数年Charさんが使用しているSITの弦(power groove)はほかのブランドと比べてテンションが強いので42でも結構いけます(^^)。

3.アーム

アームユニット
オールドにはねじとアームとの間にナイロン製のスペーサーが入っていて,一応これのおかげでアームが落ちないつくりになっています。ジャパフェンのはねじが6角レンチで締める方式で,使っているうちに緩んでねじ自体が落ちてしまうということがよくありました。ジャパフェンやESPのなどはダイレクトにねじとアームが触れます。それで緩むと落ちてしまうのです。これを防ぐために,友人はセロテープで穴をふさぐという暴挙(?)に出ていました。僕は(似たようなものですが),ねじを金属用接着剤でとめたり,あるいはアームバー自体を削ったり(楽器屋さんで)していました。以前これはChar氏のサイトでも話題になったことがありましたが,消しゴムなどをスペーサー大に切って挟み使っている人などがいらっしゃいました。現在はムスタングの調整に熱心な楽器屋さんがムスタング対応アームバーを作って販売してくれています。同じくねじもオールドと同じマイナスねじでスペーサー用の樹脂も付属しているものや曲がり具合までこだわっているものが存在します。もっともこだわっていると思うのは前述のサウンドロフトさん、広島のPhase-Inさん、そのほかいくつかのお店がムスタング用アームとして販売しています。サウンドロフトさんは「気絶ムス。」製作後、Charさんサイドで変更されたネジを忠実に再現したジャパフェン用ネジまで製作販売されています。シグニチャーモデルであるFree Spirit/PINKLOUDがリリースされてからはアームの一部を削ったアームバーというのが公式に発表されました。90年代後半からCharさんが使っていたアームバーは違う人の製作によるものだと思いますが、そういう意味では僕のチャーモデルのアームバーに本人がするはるか前に(笑)そういう改造を施してくれたクルースラットさん、感謝しています(^^)

4.チューニング

すべてができてからいよいよ演奏ですが,チューニングする際に弦をユニットになじませてやる必要があります。このテクニックを体得するには経験を積んで,そのギターのくせをつかんでやる必要があります。昔はCharさんがステージ上でチューニングしていたのでそれをチェックしてくださいと言っていましたが、今はそれもめったに見れなくなってしまいました。3弦が上がるのにどう対処するかという部分がポイントかな。コントロールでそこはけっこう抑えられます。いろいろ試してみてください。

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